Beast Love
《おおーっと! ここで赤組が息を吹き返しました! 巻き返しなるか?! はたまた、白組がこのまま逃げ切るのかぁ?!》
アナウンスが告げる勝負の行方に、みんなが釘付けになっている。
マサトと腕が密着しているだとか、自分から滴る汗なんてもう、気にならなかった。
ただ、勝ちたいと思った。
この勝負に勝ちたい、勝ってもう一度、マサトの本当の笑顔が見たい。
最近、元気がないように見えるマサトに……勝利を捧げたい。
徐々に縮まる、白組ランナーとの距離。
「このまま一気に行くぞ!」
「う、うん!」
敵のランナーと横並びになった瞬間、私はあることに気付く。