Beast Love

《おおーっと! ここで赤組が息を吹き返しました! 巻き返しなるか?! はたまた、白組がこのまま逃げ切るのかぁ?!》


アナウンスが告げる勝負の行方に、みんなが釘付けになっている。


マサトと腕が密着しているだとか、自分から滴る汗なんてもう、気にならなかった。


ただ、勝ちたいと思った。


この勝負に勝ちたい、勝ってもう一度、マサトの本当の笑顔が見たい。


最近、元気がないように見えるマサトに……勝利を捧げたい。


徐々に縮まる、白組ランナーとの距離。



「このまま一気に行くぞ!」

「う、うん!」


敵のランナーと横並びになった瞬間、私はあることに気付く。

< 429 / 548 >

この作品をシェア

pagetop