Beast Love
「並ばれたけど、気にしないで数数えよ」
「うん。いち、に、いち、に……」
(…………白組の人たちは、数を数えて足を揃えてる……。なのに、私とマサトって……)
私たちは、数すら数えていない。
言葉や数字で説明できないもので、足並みを揃えていたのだ。
(私とマサトの心が、本当にひとつになってる……っ!)
にわかに信じ難い現象に思わず、マサトの顔を見上げる。
ゴールテープを目視した途端に、彼の目付きが鋭くなった。
と同時に、直感的に彼の下肢が加速することを察知する。
慌てて息を合わせて私もスピードを上げると、マサトがにやりと白い歯を見せた。
「……やっぱりお前、最高だな」
「へっ?」
聞き返す前に、私たちの体操服が真っ白なゴールテープを千切った。
「うん。いち、に、いち、に……」
(…………白組の人たちは、数を数えて足を揃えてる……。なのに、私とマサトって……)
私たちは、数すら数えていない。
言葉や数字で説明できないもので、足並みを揃えていたのだ。
(私とマサトの心が、本当にひとつになってる……っ!)
にわかに信じ難い現象に思わず、マサトの顔を見上げる。
ゴールテープを目視した途端に、彼の目付きが鋭くなった。
と同時に、直感的に彼の下肢が加速することを察知する。
慌てて息を合わせて私もスピードを上げると、マサトがにやりと白い歯を見せた。
「……やっぱりお前、最高だな」
「へっ?」
聞き返す前に、私たちの体操服が真っ白なゴールテープを千切った。