Beast Love
episode.7
光に手を伸ばす
***
体育祭が終わると、世間は一気に肌寒くなり始める。
「みんな、呆けていられないわよん」
出欠簿を抱えた宇佐美先生が、受験の一連の流れを説明する。
10月後半からは推薦出願が開始され、早い人たちは11月の中旬に試験日を迎える。
みんなそれぞれの道に進んでいく準備が、ついに始まるのだ。
「はぁ、嫌だなぁ……」
憂鬱気に机に突っ伏しているハルカくんを横目に、私の注意は空席に集中していた。
(……マサト、体育祭から学校に来てないなぁ……)
なんの展望もなく、じりじりと枯れていくように日々が過ぎていく。
窓の外から流れてきた金木犀の香りを吸い込むと、後ろ髪を引かれる思いがした。
……もうすぐ、秋が終わる。
マサトと言葉を交わすことのできなかった秋が、終わる。
体育祭が終わると、世間は一気に肌寒くなり始める。
「みんな、呆けていられないわよん」
出欠簿を抱えた宇佐美先生が、受験の一連の流れを説明する。
10月後半からは推薦出願が開始され、早い人たちは11月の中旬に試験日を迎える。
みんなそれぞれの道に進んでいく準備が、ついに始まるのだ。
「はぁ、嫌だなぁ……」
憂鬱気に机に突っ伏しているハルカくんを横目に、私の注意は空席に集中していた。
(……マサト、体育祭から学校に来てないなぁ……)
なんの展望もなく、じりじりと枯れていくように日々が過ぎていく。
窓の外から流れてきた金木犀の香りを吸い込むと、後ろ髪を引かれる思いがした。
……もうすぐ、秋が終わる。
マサトと言葉を交わすことのできなかった秋が、終わる。