Beast Love
マサトに、ヨウ…………、正人に陽?!


(なんでよりにもよって、学校が休みのこんな場所で出くわすの?!)

アワアワと鉢の影に隠れた私を見ていたハルカくんが、呑気そうに「あ、鳳凰 正人に白虎町 陽くんだー」っと彼らに気付き、名を口にする。


「まさか、ノゾミん……あの人が昨日言ってた、噂の彼?」

口元を三日月にして、いっちゃんがそう尋ねてきた為、声を出さずにコクコクと頷く。

「へぇ〜、どっちもイケメンじゃん!」

「いや、違うんだよいっちゃん。イケメンでも格別に怖いんだよ、あの人達は」



絶対に見つかりたくない、見つかりたくないのに……


宇佐美さんが、彼らに余計な一言を告げる。


「そう言えば、この時間には珍しく、奥の席にも桜島高校の学生さんが来てるよ。マサト達の知り合い?」


(ぎゃーっ! いらない事言わないで!)


「いや? 誰とも待ち合わせしてねぇけど」
「マサト、ちょっと覗きに行こうや」


白虎町くんに促され、こっちに2人分の足音が近づいてくる。

嗚呼、またイジられるんじゃなかろうか。


斯くなる上は、私の秘密兵器を披露するしかあるまい。


顔に気合いを入れると、ハルカくんは驚き、いっちゃんはゲラゲラ笑い出した。

「ちょ、ちょっとノゾミん、いきなりどうし……」
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