Beast Love
希望から遠ざかり、正しい方向と時間を見失ってしまったマサトに対して…………なにができる?
助けたい、でも雲隠れした太陽を見上げるような心細い気持ちしか湧いてこない。
……病院ですら助けられないのに、……私がマサトにしてあげられる最善の方法なんて、あるのだろうか。
難解なパズルに挑んでいるかのように、暗雲の闇に思考が吸い込まれていきそう。
「話を聞いてくれて、ありがとうね」
私が真剣に悩んでいることを見透かしているカナエさんの顔には、苦しい微笑が残っていた。
「無理なお願いだろうけど、もし学校であいつを見かけたら……いつも通りに接してやって」