Beast Love
射し込む光
***
暗闇の中でチラチラと一筋の光が差し込む。
(…………俺は、)
肌で風を感じれば、嗅ぎ慣れない消毒液の匂いが辺りに漂い始める。
「うっ、…………」
目を開けると、意識がクリアになっていく。
「……ここは……?」
カーテンだけで仕切られた、寛容な個室。
下半身には長時間に渡って正座したあとのような痺れと、鉛が置かれているような重圧感があった。
肘をついて起き上がれば、ベッドの掛け布団に突っ伏して眠っているノゾミの寝顔が。
「俺、倒れたのか……」
ふっと、繭のように降りかかってくる他人の眼に横を向けば、会った記憶のない老婆が立っていた。
「うおっ?!!」
ビクッと肩を揺らすが、老婆は微動だにしない。
「おやおや、目が覚めたみたいだねぇ。良かったよかった」
「だ、誰っすか?」
…………俺は、見えてはいけないものが見えているのか?
いや、しっかり足はあるみたいだが……。
暗闇の中でチラチラと一筋の光が差し込む。
(…………俺は、)
肌で風を感じれば、嗅ぎ慣れない消毒液の匂いが辺りに漂い始める。
「うっ、…………」
目を開けると、意識がクリアになっていく。
「……ここは……?」
カーテンだけで仕切られた、寛容な個室。
下半身には長時間に渡って正座したあとのような痺れと、鉛が置かれているような重圧感があった。
肘をついて起き上がれば、ベッドの掛け布団に突っ伏して眠っているノゾミの寝顔が。
「俺、倒れたのか……」
ふっと、繭のように降りかかってくる他人の眼に横を向けば、会った記憶のない老婆が立っていた。
「うおっ?!!」
ビクッと肩を揺らすが、老婆は微動だにしない。
「おやおや、目が覚めたみたいだねぇ。良かったよかった」
「だ、誰っすか?」
…………俺は、見えてはいけないものが見えているのか?
いや、しっかり足はあるみたいだが……。