Beast Love
さらに数日後の放課後。



手先の器用な男子たちがポスターや立て看板を作成し、準備は着々と進んでいた。


「よし、これどうよ?!」
「おー、いい感じじゃね?」
「俺、親に話したわ。職場にこれ置いてくれないかって。無事、オッケーもらいましたー」
「ナイス〜!」


手で拭ったのか、コピックだらけのカラフルな顔の男子たちが、より良い看板になるよう軌道修正をしていく。



かく言う私も、宇佐美先生と一緒に地元のスーパーやコンビニに、商店街に”ある物”を設置して欲しいと懇願し、練り歩く日々で。


「このスーパーに設置していただけませんか? ご協力、よろしくお願いします」
「うーん。そうだねぇ……」


断られても、渋られても。



説得や説明に、どんなに時間が必要だったとしても。


決して、諦めたくはなかった。


「そこを、なんとか……お願いしますっ!!」



誰もがマサトを救いたいと思う気持ちだけで、1日1日を過ごしていた。
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