Beast Love
「あ、あいつら……」


よく色付けされた看板には、自分に突きつけられた病名と手術に必要な費用が描かれていて。



駅の入り口にそれぞれ配置し、クラスメイト全員が勢ぞろいしていた。


宇佐美教員も、白虎町も、玄武も、青龍院も、小羊も。



皆が鼻を真っ赤にして叫び続けているため、桜の花が咲いたような賑わいが、全体を包んでいる。



その中でも一際、声を張り上げている人物がいた。


「ご協力、お願いします!!」


道いく老人が手にした小銭を箱に落とすと、まるで自分のことのように満面の笑みを浮かべている。


「あ、ありがとうございますっ」


感極まって涙をこぼしている、その女子生徒の名前は。


「ノ、ノゾミ……」
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