Beast Love
ぴしゃりと突きつけた進路希望調査表を見て、ノゾミの顔が真っ赤に染まる。


「なになに? なんて書いてあるの?」


新たに書かれた俺の夢を宇佐美ちゃんが盗み見ようとするも、タコのように興奮したノゾミがそれをひったくった。


「ななな、なんでもありません!」


進路希望調査表に書いた、ふたつの夢。


「まぁ、ひとつは自分で叶えるからよ。もうひとつの夢は、よろしく頼むわ」


ひとつは、『手術を乗り越えて、消防士になること』。


そして、もうひとつは……。



「もー! ほんっと、調子がいいんだから!」



牛みたいな鳴き声を出している、底抜けに明るいこのお人好し少女の、気分次第ってとこだ。




















── ……秋の終わりを感じる



日曜日の朝に行われた、募金活動。


その額はたった1日にして、




目標額を超えた。





それは、彼自身が救ってきた者たちからの贈り物。




”人の輪”という名の、




かけがえのない贈り物。……──







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