Beast Love
「あらら〜。ふたりとも、さっそくはぐれてしもたなぁ」


白虎町くんは顔色ひとつ変えず、スマホを耳に当て誰かに電話をかけようとしている。


「……あ、もしもし? え、もう着いた? じゃぁ、ゲートくぐって入り口のとこで待っとるよー。はいはいー」


ピッと電話を切り、ポケットにスマホを仕舞い込む彼に、私は首を傾げた。


「誰と電話してたの?」


何か、会話の内容的にこっちに来る感じがしたけど……。



「んー、それはなぁ……あ、噂をすればもう来た。おーい、アキラぁ〜」


先ほど私たちが歩いていたゲートに向かって手を振る、白虎町くん。


その視線の先を辿ると、そこには。


長身の爽やか男子が、小走りでこちらに向かってきていた。


「急に遊びの誘いが来たかと思えば、まさかこんな場所にこんなメンツがいるとは思わなかったよ」


(この人は、昨日……クラスで見た人だ。名前は確か…………)



彼らの仲間のひとりである、日本茶と和服がよく似合いそうなクラスメイト、玄武 輝くんが何故かそこにいた。
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