Beast Love
鳳凰 正人の問い掛けに、誰もが口を閉じた。
答えようともしなかった。
沈黙が彼女たちの答えだった、マサトに添付したものだけに好意を寄せているのだから。
「今の質問にずっと即答し続けてくれた人が、俺の奥さんなんだわ」
足を進め始めたマサトが、ようやく笑った。
前に進める手段を再び手に入れたことに対する、喜び。
愛する者が家で自分の帰りを待っていることに対する嬉しさに、顔を綻ばせながら。
「じゃ、そういうわけで。お疲れした〜」