Beast Love
「おい、誰が野蛮人だ」

「あ、聞こえてました?」

「だだ漏れだっつーの」



何故、私の中の”今もっとも憎たらしいランキング1位”のコイツと、わざわざ休日を潰してまで遊園地で遊ばねばならないのか。


それは最早、『もっとポチとかペットとしてイジって下さい』、って自ら立候補しているようなものだ。


(ドMの諸行だわー、そんなの)っと思いながら、おデコを手で押さえる。



お客さんの歓声や派手なBGMが、心を嫌という程に騒つかせる。


(嗚呼、早く帰りたい。ホントなら、いっちゃんとハルカくんの3人で、楽しむハズだったのに)



パンフレットで隠しながら、さっきから2人にSOSのメッセージを送っているが、返答はなし。


手にしたカラフルで大きなパンフレットと、マサトの顔を交互に見やる。


どうせ、早くみんなと合流したいとかこの人も思ってそうだし、だったらこのまま此処から動かない方が得策なんじゃ……
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