Beast Love
「勝負よ、鳳凰 正人!」

「だから、なんでそうなるんだよ」

嫌がる大魔神の手を引き、意気揚々と大人用のボールプールの列に並ぶ。

「このボールの海からハッピーくんの顔が書かれた、”ハッピーボール”を見つけた者が、見つけられなかった方を一生下僕として抱えるってのはどう?」


ニヤリと誘いを投げかければ、マサトは「ほう。良いぜ別に?」っと挑発に乗る。


「ご主人様に噛み付こうなんざ、良い度胸してんじゃねぇか。あとで後悔しても知らねぇからな、ポチ」


この勝負に勝てば、学校で変に絡まれることも無くなる!

勝つ気満々の私は、BGMに体を揺らしてその時を待つ。


「ちなみに私、ボール見つけたらもらえるハッピーくんの景品が、めっちゃくちゃ欲しいの。だから、絶対勝つんだからね」


「へーへー。せいぜい頑張れよ」


順番が回ってくればくるほど、胸が踊る。


やがてゲートが開かれ、他2組と一緒にスタッフにより巨大なボールプールへと案内された。

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