Beast Love
「あ、ズリィ! お前もスクリーンちゃんと見ろよ、アンハッピーくんが襲ってくるぞ」

ボールをパスパスとスクリーンに投げつつも、その目はしっかりとプール内にあるラッキーボールを探そうとしている獣がいた。


「私がスクリーンにボール投げ始めたら、今度はあなたが本格的にハッピーボール探し始めるでしょ? そうはさせるもんか」

そう反論すると、マサトは数秒間黙った後に、コッチに向けて一気にボールをかき上げた。


「ぶわわっ」

大量のカラーボールが波となって私を襲い、視界が暗くなり、自分が埋もれていることに気付く。


慌ててかき分けて顔を出し、先に仕掛けてきた犯人をキッと睨んだ。


「くっそー! やったわね!!」

「あ、悪りい悪りい。ピーピー五月蝿い鳥がいたから、アンハッピーくんかと思ってボール投げちまった。あ、五月蝿い犬の間違いか」


ムカムカと血が昇る頭で考えるよりも先に、身体が動いてしまった。


「仕返しよ、これでもくらえ!」


低く屈んで腕を前に突き出し、マサトの方へボールを一気に押しやる。


「うおっ! てんめぇ、」


その、瞬間。

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