Beast Love
ボールの海からほとばしる殺意を感じ、パッと手を離した。

頭の中に何故か小さいお坊さんが出現し、自然とそのまま般若心経を唱え始める。


あ、もしかしてさっき掴んでたのって……


「マサトの、ゴールデンボー……」

「何やってんだテメェは! ぶっ殺すぞ!」


ザパァッと黄泉から蘇ったマサトに両頬を摘まれる。


「ああぁぁぁごめんなさい、もうしませんっ許して下さいっ」

「当たり前だろーが! 2度もされてたまるかこの変態犬ッコロまじで殺すぞ」


「ってか私もかなり恥ずかしかったんだから大目に見てください! そしてあんまり大きい声出さないでください、他のお客さんに聞こえてたら恥ずかしいって!」


既に丸聞こえなのは、重々承知である。


「ああー、ごめんなさい」っと喚くと同時に、私達の場所だけ、急に照明が消えて真っ暗になってしまった。


驚いてスクリーンを見ると、そこには赤字でgame overの文字が。


どうやらアンハッピーくんの攻撃を受けて体力が底をつき、ゲームが終了してしまったようだ。
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