Beast Love
もどかしい片割れ
ひとしきり嘆いた後、今度はランチタイムとなったお腹の嘶きが、私を襲う。
グウゥゥっと情けない音に対して「ああ、お腹すいた」っと口走る前に、片手でスマホをタップしているマサトが口を開く。
「っつか、腹減った。メシ食おうぜ」
「あ、ちょうど同じこと思ってた」
すごい、初めて同じ気持ちになった!っと偶然にもシンクロした気持ちを報告すると、彼はスマホからコチラに視線を向ける。
「そんなに笑顔浮かべて、どうした? 俺と同じ気持ちになったのが、よっぽど嬉しかったのかよ?」
やらしい笑みを浮かべるソイツをキッと睨み、「違います」と即答してやる。
「そんなしょうも無いこと言ってないで、早くお店に入ろうよ。今はお昼時だから、早く行かないと並ばないといけなくなっちゃうよ」
「はいはい」
まるで恋人のようなやり取りに少し違和感を感じつつ、私たちは同じゾーンにある飲食店に向かった。