Beast Love

ぼんやりと同じ景色を見続けて、何分経っただろうか。


「ねぇ、ひとり？」

ベンチに腰掛ける私に突然、誰かが話し掛けてきた。


「はい？」

聞き慣れない声に顔を上げると、そこには白虎町くんにも負けず劣らずのチャラ男4人組が。

「そんなに暗い顔してどうしたのー？」
「友だちとケンカでもしちゃった？」
「ね、お兄さん達と一緒にアトラクション楽しもうよ」
「色々奢ってあげるからさ」


(寄ってたかって一気に喋らないで下さい、私の耳は聖徳太子の耳じゃないんだから)

なんて不満を心の中でぶち撒けつつ、傷付けられるような事を言われたらどうしようなんて不安がる小心者は、「いえ、大丈夫です」と手を振り、精いっぱいの断りを入れる。


大学生くらいのチャラお兄さん達は、「えーっ？」と口を揃えた。