Beast Love
逃げようにも肩に腕を回され、身動きが取れないようにされてしまう。


「いや、ホントいいです。大丈夫なんで」


良い香りのする男の人って、なんか苦手だ!


変に緊張してしまう。


ベンチの前を通り過ぎる人たちは、チラチラとこっちを見ては、知らぬ顔でそのまま過ぎ去っていく。



まるでホストクラブで接待されているような、こっぱずかしい慣れない体験に、自分の顔が赤くなっていくのが分かった。


「あはは。見てみろよ、顔真っ赤だぜこの子」
「うわ、マジ? ピュアだね〜」
「男慣れしてないのー? 可愛いね」
「お前ら、あんまりからかってやるなって。くくっ」


不愉快な笑い声たちにどうすることも出来ず、小さく縮こまっていると。
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