Beast Love
「……助けてくれて、ありがとう……ワン」


「よっし、腹減ったしさっそく食おうぜ」


(む、無視された!)


渾身のお礼を華麗にスルーされ、肩を落とす私の頬にピタッと温かなものを引っ付けられる。

「わっ! なにっ?」

それと共に、ほんわかとした良い香りが鼻腔に漂う。


少し顔を引いて頬に当てられた物体を確認すると、ラッキーくんの形をした肉まんが、目の前で湯気を立てていた。


「”ラッキーまん”だってよ。まぁ、ただの肉まんみてぇーだけどな。普通の肉まん味と、ピザ味、どっちが食いてぇか決めさせてやるよ」


マサトの手にはそれぞれ、黄色をしたラッキーくんと、桃色をしたラッキーちゃんの肉まんが掴まれていた。


どうやらラッキーくんがスタンダードな味で、ラッキーちゃんがピザ味のようである。



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