Beast Love
「へっ?! いやいや、全然、そんなことないし?! 」
熱く火照った身体を下敷きでパタパタと扇ぎながら、我ながらなんと説得力の無い台詞なんだろうと思った。
「ノゾミちゃん、分っかりやすぅーい。何か良いことあったんでしょ、マサトくんと」
忘れたくても嫌でも忘れられない人物の名前をもう一度告げられれば、ボフッと頭頂部から煙が出てしまった。
「う、ん……。良いことというか、色々と楽しかったというか……」
「あー、やっぱり!! なになに、どんなことがあったの? 」
「あの、実はね……」
土曜日にあった濃厚な出来事をハルカくんに耳打ちしようとした、その時だった。