Beast Love
「だからお願い、それを玄武くんに渡して欲しいの。お願いっ」
涙目で懇願してくる彼女には、よっぽど彼に伝えたいことがあるのだろう。
よし、ここは同じ女子として、一肌脱いであげよう。
「うん、分かったよ。渡しておくね」
しっかりと頷いてあげると、女子生徒はひまわりが咲いたような、パァッと明るい笑顔を浮かべた。
予鈴のチャイムと共に駆け足で自己紹介をしながら、彼女は自分の教室に戻るために後ろ向きでその場から離れて行く。
「ありがとう! あ、私は普通科の井川 小雪(いかわ こゆき)。バスケ部のマネージャーやってるんだ。この恩、絶対に忘れないから!ありがとうっ」
この時の私は、手にした手紙が玄武くんの秘密を暴くことになるなんて、……知る由も無かった。
涙目で懇願してくる彼女には、よっぽど彼に伝えたいことがあるのだろう。
よし、ここは同じ女子として、一肌脱いであげよう。
「うん、分かったよ。渡しておくね」
しっかりと頷いてあげると、女子生徒はひまわりが咲いたような、パァッと明るい笑顔を浮かべた。
予鈴のチャイムと共に駆け足で自己紹介をしながら、彼女は自分の教室に戻るために後ろ向きでその場から離れて行く。
「ありがとう! あ、私は普通科の井川 小雪(いかわ こゆき)。バスケ部のマネージャーやってるんだ。この恩、絶対に忘れないから!ありがとうっ」
この時の私は、手にした手紙が玄武くんの秘密を暴くことになるなんて、……知る由も無かった。