Liebe
「それで、私は何をすればよいのでしょう?」
「協力、して欲しいんだ」
「協力?」
「そ、その、行く場所とか、服装とか、そういうの」
シェルが言いづらそうに視線を逸らして言う。
なんだか楽しくなってきた。エリーはにこにこしている。
「女ってあるだろ、多分、その、希望っつーか、理想っつーか」
「アンナさんの方が詳しそうな気がしますが」
「あいつに言ったら一生言われ続けるだろ!」
シェルが慌てたように言う。
確かに、からかわれる要素を自ら提供するようなものだ。
「ふふ、わかりました。できる限りのことはさせていただきます!」
「お、お前、意外とすっげぇ乗り気だな……」
エリーの勢いに今度はシェルがたじろぐ。
しかしエリーも女の子だ。恋バナというものには興味がある。
それに、こうして頼られたからには絶対に成功させたいとエリーは思ったのだ。
「それでは、まずはプランを練らなくてはなりませんね」
「お、おう」
「でもここにいてはウィリアムさんのお仕事の邪魔をしてしまうかも知れないので、外でもよろしいですか?」
「あぁ、オレは別にどこでもいいぜ」
「それでは、準備を済ませるので少し待っていてくださいね」
そう言ってエリーは昼食の用意もしておくことにした。
自分たちは外で食べるとして、ウィリアムの分はきちんと用意をしなくてはならない。
シェルを待たせてしまうことになったが、昼食の用意を済まし、次にエリーは部屋に戻ってリヒトを迎えに行く。
一応クッキーを手渡し、出かける準備をした。