Liebe
「お待たせしました」
「おう」
「あ、私をサラさんだと思ってデートの練習でもしておきますか?」
「い、いらねぇよそんなの」
エリーの提案にシェルはむすっとして答える。
「やっぱり私では力不足でしょうか」
「そうじゃねぇよ。お前は、エリーだろ」
シェルの言葉にエリーはきょとんとする。
そして嬉しそうに笑って、「そうですね」と納得した。
外に出た三人は、あまり人の来ない味のある喫茶店に入る。
秘密の話をする時は重宝するのだ。
とりあえず珈琲を注文して、二人は作戦会議を開始した。
「それでは、まずは行く場所でしょうか……。時間や待ち合わせ場所は決まっていますか?」
「い、いや、まだ」
心なしか生き生きしている様子のエリーに戸惑うシェルとリヒト。
そんな彼らの心情を気にせず、エリーは真剣に思案する。
「そうですね……。サラさんは雑貨店をやっているので、お買い物とかは避けた方がいいかも知れません。せっかくのデートなのですから、お仕事のことよりシェルのことを考えて欲しいですもんね」
「え、いや、えっと」
エリーの言葉にシェルは顔を赤くする。