Liebe
「サラさんのことはまだあまりよく知りませんが、綺麗なものとかは好きなのでしょうか」
「あー……す、好き、なんじゃねぇの。店に仕入れるものとか、配置とか、全部あいつがやってるし」
少し言いづらそうにしながら答える。
その答えに、「うーん」とエリーは考えるようにカップを指でなぞった。
「それでは、水族館とか美術館とかいいかも知れませんね。シェルには向いてなさそうな気もしますが」
「ひでぇな! オレだってそういう場所くらい行くし! むしろガラス作りに置いて、そういう感性は大事なんだからな!」
むきになって言うシェルに、エリーは微笑んだ。
「ふふ、場所は決定でいいですか?」
「おう、任せろ」
「でもそれだけだと物足りないですよね。その後はこういった喫茶店でお茶をするのがいいと思いますよ。いっぱいお話できますし」
「お、おう……そうだな」
少しむず痒いような思いをしながらエリーの話を聞く。
「後はそうですね……サラさんを連れていきたい場所とか、ないですか?」
「うぁっ……あー、おう」
「あるんですね?」
「そりゃ、ま、あな」
歯切れの悪いシェルに、エリーは首を傾げた。