Liebe
「お、おい。エリー?」
「え?」
「大丈夫か?」
目を開けると、そこには心配そうにエリーを見るシェルとリヒトの姿があった。
今の情景はなんだったのだろうか。
エリーはにっこりと微笑んだ。
「少し眩暈がしただけです。ごめんなさい」
「いや……無事ならいいんだけどよ」
「……行きましょうか」
「おう」
喫茶店を出ると、リヒトがエリーの頭の上に乗る。
まだ少し心配そうな表情だが、エリーの笑顔にリヒトも笑みを零す。
シェルは翌日のことに緊張しているのか、どこか本調子じゃないようだ。
「以前アンナさんと行ったお店に、男性用の洋服もあったはずです」
「へ、へぇー」
少し挙動不審になりながら歩いていくシェル。
今隣を歩いているのは、サラではなくエリーなのだから、今から緊張しなくてもいいはずなのに。
なんだか微笑ましく思いながら、エリーは楽しそうに歩いた。