Liebe
「待たせたな」
「あ、いえ……お買い物終わったんですか?」
「買い物をしに来たわけではない。店主に話があったんだ」
「そうだったんですか」
「ああ。本当に助かった。礼を言う」
「ふふ、お力になれたようでよかったです」
エリーがふわりと笑うと、リートはじっと無表情でその顔を見つめた。
エリーは不思議そうに首を傾げる。
「どうかされました?」
「ああ……非常に言いにくいのだが」
「なんでしょう」
「実は他にも用事のある店がたくさんあるんだ」
リートの言葉にエリーはきょとんとして、弾けるように笑った。
非常に言いにくいと言うから、何事かと思ったのだ。
「私にわかる限りでしたら、いくらでも案内しますよ」
「すまんな。また改めて礼をさせてもらう」
「いえいえ、お気になさらないでください」
そう言って再びエリーはリートと共に歩き出す。
人に頼られるのは嬉しいことだな、とエリーはご機嫌で街の案内を始めた。