Liebe
「今日の礼というわけではないが……これをもらってくれないか」
「お手紙、ですか?」
リートが差し出したのは、真っ白な封筒だった。
受け取ると、ふわりと花のような匂いがした。
「招待状だ」
「招待状……?」
「ああ。もうすぐ大地の都、レームで祭りが開催されるんだ。是非来て欲しい」
祭り、という言葉にエリーはハッとした。
それぞれの都では、毎年祭りが開催されるということを思い出したのだ。
「わぁ……! ありがとうございます!」
リートが街のあちこちを回っていたのは、招待状を送るためだったらしい。
エリーはふふっと笑って手紙を大切そうに抱いた。
「また会える日を楽しみにしている」
「私も楽しみです!」
二人の間に和やかな空気が流れる。
リヒトは呆然としていた。まだ立ち直っていないようだ。