Liebe
「姉さま!」
透き通った声が聞こえ、エリーはリートの後ろに目を向けた。
そこには、リートと似たような背格好の少女が立っていた。
月白のふわふわの髪と、リートとは逆の配色の白地に黒のドレス。
こちらもまた愛らしい少女だ。
「姉さま、お迎えに参りました」
「シャールか。ご苦労だったな」
口を半開きにさせながら二人のやりとりを見守るエリー。
似た雰囲気の二人の少女は、人とは思えないくらい可愛らしい。
「えっと、あなたは……?」
「あ、わ、私、エリーといいます!」
交わす言葉に既視感を覚える。
ふわりと笑う少女は、リートとは違って表情が豊かなようだ。
「エリーさんですね。私はシャールといいます」
丁寧にお辞儀をしながら、どこかのんびりした口調で言うシャール。
お辞儀を返しながら、エリーは改めてその愛らしさに目を奪われる。
「私の妹だ」
相変わらずの無表情でそう言うリート。
二人は並んでいるが、確かによく似ている。
しかしどちらかというとシャールの方が少し背が高いような印象だ。
瞳もリートはしっかりしていて、シャールは穏やかそうだ。