Liebe
明日は大地の都の祭りである森のお茶会が開催される。
エリー達はそのために集合してやって来ていた。
前回同様、宿に泊まる予定だ。
今日はサラとシェルも一緒に来ている。宿も当然一緒だ。
森の中を少し歩くと、様々な建物が見えてきた。
どうやらそこが街のようだ。
一番手前にある大きな木造の建物。
その玄関前に、見知った顔が見えた。
「よく来たな」
宿の前、凛とした声でそう言ったのはリートだ。
隣には穏やかな笑みを浮かべたシャールもいる。
相変わらずの美しさに、エリーは嬉しそうに駆け寄った。
「リートさん、お誘いいただきありがとうございました」
「ああ。待っていたぞ」
「エリーさん、お久しぶりです」
「こんにちは、シャールさん」
和やかに挨拶を交わす。
アンナ達もそれぞれリート達と交流があったりなかったりしているようで、各々で挨拶をしている。
「準備できたぞー」
扉が開き、声が掛かる。
扉から出てきたのは、涅色の髪をした小柄な男の子だった。
幼い顔をしていて、身長はシェルよりも低い。
しかしどこか頼りになるような雰囲気のある、不思議な男の子だ。