Liebe
外に出ると、先程窓から見た光景があった。
祭りというより、お茶会だ。
「森のお茶会、ですか」
「ああ」
やはりいつもより返事の早いウィリアム。
エリーはくすっと笑って、周りをきょろきょろと見回している。
「おはよう」
ふと聞こえた声に、皆は振り返る。
そこにはカイとリート、そしてシャールがいた。
リートとシャールはエリー達よりも草花が多く施されたドレスを着ていて、とても華やかだ。よく似合っている。
「おはようございます」
「ああ、おはよう」
エリーが声を掛けると、リートがエリーを見上げて挨拶を返す。
「あの、とても、素敵です」
「エリーも似合っているぞ」
淡々とリートがエリーに返す。
表情の変化はウィリアムよりも乏しいようだ。
「午後からは音楽の時間がございますので、お相手を見つけておいてくださいね」
「音楽の時間……?」
シャールの言葉にエリーは首を傾げる。
近くにいたリートが、口を開く。
「舞踏会のようなものだ。男女ペアになって、踊る」
「そうそう。午前中はたっぷり食べて、午後はたっぷり踊るのよ」
アンナがエリーに抱き着きながら楽しそうにそう言って、続ける。
「もちろん、午後もケーキを食べたり紅茶を飲んだりしてもいいわよ」
「森の動物と戯れてもいいし、踊ってもいい。自由を楽しむのが、森のお茶会だ」
アンナとリートの言葉にエリーは頷いて笑う。
聞いただけでなんだか素敵な祭りだとエリーは感じた。
ちなみにリヒトは既にテーブルの上でお菓子を食べている。