Liebe


丈の長いワンピースを着て、エリーは髪を横に結ぶ。

玄関の扉を開けると、少し肌寒い空気を感じる。
森のお茶会の後は、どんどん寒くなっていく。
上着をそろそろ買わなくてはならないだろう。

アンナを誘ってみようか、とエリーは考える。
ヴィルベルにやってきてから、エリーはどんどん積極的になっているような気がした。


駅に近付いていくと、当然のように人が多くなっていく。
新たな店に皆興味深々なのだろう。

リヒトはすでに涎を垂らしそうな様子でエリーの前をふわふわ飛んでいる。
店の前に着くと、そこには既に何人もの人が並んでいた。

店は既に営業を開始しているようで、店の中からも外からも賑やかな声が聞こえる。
わくわくしながら、エリーも列に加わった。

ぼんやりと中の様子の見えるガラスを見る。
リザはいるだろうか。

そんなことを考えていると、リザの淡黄の髪を見つけた。


店内、カウンターの中でスタッフと話をしている。
昨日の笑みとは反対に、深刻そうな顔をしている。

そしてふとどこか泣きそうな表情になった。
思わず列を抜けてガラスに近付く。
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