Liebe
「……そうだな」
少し考えるように目を伏せ、ウィリアムはわずかに口角を上げる。
「……お前の行きたいところに、俺は行きたい」
「ウィリアムさん……」
ウィリアムの言葉にエリーは感動したように瞳を潤ませる。
そして、苦笑した。
「……考えるのが面倒なんですね?」
「……さあな」
エリーと目を合わせることなく答えるウィリアム。
図星なのだろう。
エリーは風の都を思い浮かべながら考える。
どこへ行けば、ウィリアムに楽しんでもらえるのか。
どこへ行けば、ウィリアムともっと仲良くなれるのか。
考えていたエリーは、ふと笑顔になり、ウィリアムに提案した。
「ウィリアムさんの書かれた本の舞台を見てみたいです!」
「……は?」
驚いたようなウィリアムに、エリーはにっこりと笑みを向けた。