Liebe



しばらく話をしていると、胸の奥に温かい光が灯ったような感覚がした。

顔を上げると、墓石の傍に一人の少女がしゃがんでいる姿があった。

桜色の髪をした、目の大きな可愛い少女。
どこか見覚えのあるような、水色のワンピースを着ている。

エリーは驚いたように少女を見る。

少女は楽しそうに笑って、そしてエリーの供えた白い花を手に取り、髪に付ける。

その嬉しそうな笑みにつられ、エリーも嬉しそうに笑った。

少女は立ち上がり、そしてワンピースの裾を持ってお辞儀をした。

瞬きをすると、少女はいなくなっていた。

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