Liebe
墓参りを終え、四人は帰り道を歩いていた。
「……ねぇ」
アンナが今日初めて声を発する。
まだ俯いていた。
見たことのないアンナの様子に、エリーはまた胸が苦しくなる。
悲しそうなアンナの顔は、あまり見たくない。
「エリーと話がしたいの。先に帰ってくれる?」
そう言ってエリーを真っ直ぐに見つめる。
エリーは眉を下げて、そして頷いた。
「ああ」
「……わかったよ」
ウィリアムとダニエルは二人で帰っていく。
アンナは悲しそうな表情のまま、エリーに笑いかけた。
「近くに大きな木があるの。そこの木陰でちょっと話さない?」
「……はい」
アンナに案内され、エリーは大きな木の下に座る。
アンナも隣に座り、そしてしばらく無言が続いた。
「……ごめんね」
「はい?」
「あの日、聞いてたんでしょ。私とウィルの話」
「……はい」
「私はね、エリーが……エリカが、大好きだったのよ。いつも私の後ろについてきて、一緒にお買い物したり、お菓子を作ったり……本当の妹みたいに思ってた」
アンナの言葉に、エリーは無言で頷く。