Liebe
そうして連れていかれた場所は、大きくて賑やかな建物。
様々な設備のある、遊技場だ。
「……私、ここ初めてです」
「本当か?」
少し驚いたような顔をして、テオは楽しそうに笑った。
「じゃあいっぱい楽しまねぇとな!」
「ふふ、そうですね」
二人は中に入る。
まず最初に目に入ったのは、ぬいぐるみや菓子を取ることのできる機械。
お菓子に反応したのか、リヒトがエリーのポケットからひょこっと顔を出す。
目を輝かせて機械を見ている。
「何か欲しいもんあるか?」
「えっと、じゃあ、お菓子を」
苦笑しながら、エリーは菓子の入っている機械を指さす。
その言葉に、リヒトは嬉しそうにエリーを見上げる。
テオは頷いて、そして機械の前に立つ。
「よし、じゃあおれが……」
そう言って言葉を止める。
エリーは不思議そうに言葉を止めたテオを見つめる。
そんなエリーの方を向き、テオは笑った。
「教えるから、やってみろよ」
「わ、わかりました」
少し緊張したようにエリーは機械の前に立つ。
そしてテオの説明を受けながら、機械を動かしてみる。
しかし菓子は取れない。残念そうなエリーとリヒト。