Liebe
「テオさん、次はどこに行くんですか?」
「秘密」
悪戯っぽく笑って、テオは歩いていく。
先程から階段を上るばかりで、エリーは不思議そうに辺りを見回している。
「着いた」
テオのその言葉に、エリーは顔を上げる。
すると、目の前にはキラキラとした景色。
たくさんの光で溢れた風の都が一望でき、そして空にはたくさんの星。
エリーの瞳もまた、つられたように輝いていく。
「わぁ……」
感嘆の声を漏らすエリーに、テオは照れくさそうに笑う。
そして少し不安そうな表情でエリーを見つめる。
「なぁ、今日、どうだった?」
「……とっても楽しかったです。本当にありがとうございました」
エリーの言葉に、テオは安心したように息を吐いた。
そして緊張したように、エリーの方を見ずに言葉を続ける。
「ま、また、行こうな」
「はい!」
二人で夜景を見つめながら、穏やかな時間を過ごしながら。
エリーはぎゅっとうさぎのぬいぐるみを抱きしめた。