Liebe
「はぁー楽しかった。ありがとね、エリー」
「いえ、こちらこそ! お洋服を選んでいただいただけでなく、買っていただいて……本当にありがとうございます」
ぺこっと小さくお辞儀をするエリー。
アンナは笑ってエリーの頭を撫でた。
リヒトはその撫でられた頭に体重を預ける。
思っていた以上に時間がかかったことで、リヒトは完全にぐったりしていた。
その姿を見て、エリーは帰ったらクッキーでも作ろうと心に決めた。
「じゃあ次は私のオススメのカフェを紹介するわね」
ごはんもそこで食べましょう、とアンナは嬉しそうに話す。
エリーも嬉しそうに頷く。
傍から見たら姉妹のように見えることだろう。
「あったあった」
アンナが小走りで向かっていく。
店の前に立つアンナは、なんだかとても綺麗に見えた。
夕暮れが群青色の髪と瞳を照らし、神秘的な雰囲気を醸し出している。
エリーは見とれかけたが、急いでアンナの元へ向かう。
アンナのオススメだというパスタを注文し、二人はカフェオレを飲みながらゆったりと話を始めた。
リヒトはテーブルの上でリラックスしている。
「この街は綺麗でしょ」
「はい! とっても綺麗です!」
勢いよく答えるエリーにアンナは笑った。
まるで本当に妹が出来たような、そんな感覚だ。