Liebe



アンナと別れ、エリーは家へと向かっていく。
しかしその途中でリヒトがポケットから離れ、泉の方を指さす。

「行く?」

エリーの言葉に、リヒトは一生懸命頷く。
招待状のことを考えながら、エリーはリヒトと共に泉へと向かった。


泉に着くと、そこにはたくさんの妖精が遊んでいた。
これほどたくさんの妖精と会ったのは久々なのではないだろうか。

エリーは目を輝かせてその光景を見つめる。
風の都には妖精がいる。

そのことを、招待状に映すことはできないだろうか。
ぼんやりと考えるエリーに、リヒトがウィンクをする。

不思議そうにしていると、リヒトを筆頭に、妖精たちは突然上に飛び、そしてまるで踊っているかのようにふわふわと飛び回った。

妖精の光がキラキラと辺りを照らす。

その光景をエリーは嬉しそうに見つめ、そして気が付く。

まるで蝶の鱗粉のように、辺りにキラキラとした粉が舞っている。
エリーはそれを見つめ、そして嬉しそうにリヒトを見上げた。

リヒトは親指を立ててエリーに再びウィンクをした。
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