Liebe
リビングへ再び向かうと、残された男性陣が紅茶を飲みながら待機していた。
そこにはウィリアムの姿もある。エリーは安心した。
「お待たせー」
アンナが歌を歌うように言う。
皆でリビングへ行くと、シェル以外の二人が頬を緩ませる。
シェルは完全にサラに見惚れている。
「妖精が舞い降りたね、ウィル」
「……ああ」
顔色一つ変えずにさらっと言う二人。
シェルはサラに見惚れている。
「……大丈夫?」
さすがに視線を感じたのか、サラが小首を傾げてシェルを見る。
シェルはハッとしたようにサラの視線を受け止め、全力で首を横に振る。
「だ、大丈夫。大丈夫」
「言葉と行動が矛盾してるわよ」
アンナの言葉に、一同が笑う。
しかしリートはどこかきょとんとしている。
「……体調でも悪いのか?」
「いつものことですよ、姉さま」
シャールの穏やかな言葉に、リートは「そうか」と気にしていないように頷いた。