Liebe
街を歩いていると、またしても声を掛けられる。
「エリー」
声のした方を向くと、そこにはリザとテオの姿があった。
エリーは破顔する。二人もまた嬉しそうな笑顔だ。
「食べていきなさい。ベビーカステラよ」
「紅茶も一緒に飲んでけよ」
二人のやや強引な誘い文句に、エリーは楽しそうに頷く。
一緒に喫茶店で働いた頃を思い出し、一緒に屋台ができたら楽しいだろうと想像してしまう。
「紅茶しかねぇのか?」
「おすすめが紅茶ってだけ。他にもあるぜ」
どこか似た雰囲気のシェルとテオ。
「ベビーカステラ美味しそうね」
「もちろん美味しいですわ。ぜひ召し上がってください」
態度はいつも通り堂々としているが、やはりリザはきちんと接客をしている。
懐かしさに、エリーの頬を緩んだ。
楽しげに屋台をやる二人に別れを告げ、エリーは再び皆と移動を始めた。