Liebe
「レイラ様……?」
何故か耳に届いた一つの声に、エリーは振り向く。
共に歩いていたアンナやシェル、ウィルが不思議そうにエリーを見て、少し先を歩いていた皆も足を止める。
知らない女性が真っ直ぐエリーを見つめていた。
聞こえた名前にも、どこか聞き覚えがあるような気がする。
街中はまだ賑やかに話し声や笑い声が響いているはずなのに、まるで時が止まってしまったかのように、音が止んだような感覚がエリーを包む。
知らない女性の目に涙が溜まる。
そんな姿に、胸にざわめきを感じ、エリーは首元の指輪に手を添えた。