Liebe
「どうぞ」
「……ありがとうございます」
アンナがテーブルにカフェオレを置き、そして自分も椅子に座る。
座っているのは、アンナとウィリアム、ダニエル。そしてティーナだ。
エリーは部屋で眠っている。
「……まず、こちらから話をさせていただきます」
ウィリアムが話を始める。
いつもならアンナやダニエルに任せるような場面なため、二人は意外そうな顔をしてウィリアムを見ている。
ティーナは真っ直ぐに話を聞こうと真剣な顔をしている。
「彼女が家に来てから、もうすぐ一年になろうとしています。私が海辺で倒れている彼女の姿を見つけ、保護しました」
「……そうだったんですか」
ティーナが涙ぐみ、深くお辞儀をする。
「ありがとうございます……」
その続きのように、今度はアンナが口を開いた。
「ウィルが女の子を保護したって連絡してきたから、私がここに来て彼女を着替えさせたり最初に話をしたの。いきなりこんな無愛想な男が出てきても怖がらせちゃうと思ったし、本人も多分そう思ったから連絡してきたと思う」
「……無愛想で悪かったな」
「実際そうじゃない」
「……」
「まぁまぁ二人とも」
ダニエルが穏やかな笑顔で二人を宥める。
そして真剣な顔になって、二人を見る。