Liebe
「待って……お願い……」
エリーはふらふらと追いかける。
しかし妖精たちの姿は、だんだんと透明になっていく。
「……リヒトを……助けてよ……」
妖精たちの姿が見えなくなる。
エリーは力が抜けたように座り込み、そして苦しそうに胸を押さえる。
鼻の奥が痛み、目頭が熱くなる。
そして想いを全て外に出すかのように、エリーの目から大粒の涙が流れ出した。
「っ……やだ……行か……ないで……」
涙がぽたぽたと服に染みていく。
呼吸が乱れる。
エリーは弱々しく呟いた。
「置いてかないで……」
そんなエリーの様子を見守るかのように、木々の間に風が通り抜けた音がした。