Liebe
「今日はね、あんたをいい所に連れてってあげようと思ってるの」
「……水の都ですね?」
エリーの言葉に、ビアンカは肩を落とす。
「なんだ、バレてんの。まぁいいわ。ちょっと待ってね」
そう言ってビアンカは小瓶を出し、そして飲み干す。
エリーは不思議そうにそれを見ている。
すると、ビアンカが海から上がって歩き出してきた。足が、ある。
「ビアンカさん、それ……」
「水の都には、こういう薬もあんのよ。高級だし、長期間は効かないんだけどね」
「そう、なんですか」
「そうよ。人魚たち皆でエリーのために薬を使おうって決めたの」
そう言ってウインクをする。
エリーは眉を下げて笑った。
「ありがとうございます。私のために」
「じゃあ今日は私があんたを連れてってあげるわね。といっても、列車なんて使ったことないから、頼りにしてるわよエリー」
「ふふ、わかりました」
そうしてエリーはビアンカと共に駅へ向かった。
列車に乗って、水の都へ向かうのだ。