Liebe
「ウィリアムさん」
「何だ」
「何か思い出すまで、ウィリアムさんのお家でお世話になるというお話でした、よね」
エリーの言葉に、ウィリアムが黙り込む。
そしていつもより低い声で答えた。
「……そうだったな」
「はい」
またしても無言になる。
エリーはどこか穏やかな気持ちでいる。
「だが……」
ウィリアムがそこで止める。
何か言いたげに口を開くが、すぐにまた閉じてしまう。エリーは苦笑した。
「ウィリアムさん」
「何だ」
「少し、ずるいこと言ってもいいですか」
「……ああ」
「……私、ウィリアムさんの気持ちが聞きたいです」
そう言ってウィリアムの横顔を見上げる。
エリーにも考えていることはあったが、ウィリアムの言葉も聞きたいと思ったのだ。
ウィリアムは少し言いにくそうに息を吐き、そしてエリーの目を見ずに話す。