Liebe
「わっ」
箱を開けると、そこから勢いよく何かが飛び出してきた。
驚くエリー。
しかしその姿を捉えると、エリーの目には驚きと涙が浮かんだ。
――リヒトだ。
「リ……リヒト……」
震える声で呼ぶエリー。
リヒトはぐるぐると回り、そして腰に手を当てて胸を張る。
こんなに心配させておいて、非常に偉そうだ。
「リヒト……!」
そんなリヒトをぎゅっと抱きしめる。
その勢いに、リヒトは目を回す。
サラは美しく微笑んで、二人を見ていた。
「あら、エリー」
アンナが声を掛けてきて、エリーとリヒトは同時に振り向く。
「その子、お祭りの時にあんたに懐いてた子じゃない」
「……見えるんですか?」
驚いたような顔のエリー。
アンナは不思議そうに頷く。
エリーとリヒトは顔を見合わせ、そして笑い合った。