Liebe
「オルゴール……」
「そ。オレの店のもんなんだぜ、それ」
得意気に言うシェル。
ガラスの店、と繋がったエリーはダニエルに聞いた話を思い出した。
「もしかして、フランメの」
「お、知ってんのか」
シェルが少し意外そうに眉を上げ、またにかっと笑った。
「それはフランメからの招待状。もうすぐ火炎の陣があるからな」
「火炎の陣?」
「そう。オレの住む火炎の都の祭り」
「強そうなお名前ですね……」
「あはは、そうだろ?」
シェルが嬉しそうに笑う。
故郷がとても好きなのが伝わってくる。
「特に必要はねぇんだけどよ、毎回どこの都も招待状を出すんだ。他のとこは普通に手紙だったりするけど、フランメはガラスのものを送るようにしてんだぁ」
そう言ってシェルはエリーに鞄の中を見せる。
そこには、色とりどりのガラスで出来たエリーの手にあるオルゴールと同じものがたくさん入っていた。
「そんで今回はオレんちの店で出すことになったんだ。オレは今日これの配達で来てんだよ」
「そうだったんですね」
「おう。だからお前にもやるよ、その招待状。絶対来いよ?」
そう言って意地悪そうににやりと笑う。
エリーは笑顔でそれに応えた。
ウィリアムに言ってみよう。
そして可能ならば一緒に祭りを楽しもう。
エリーは胸が高鳴るのを感じた。