Liebe
「おーい!」
駅に着くと、そこには茜色の髪がはねる青年、シェルが大きく手を振っている姿があった。
隣には見慣れない緋色の長い髪をした美しい女の人もいる。
エリーは確信した。
噂のサラだ。
「待ってたぜ、エリー!」
「あら、私たちはお呼びでないってこと?」
「別にそういうわけじゃねーよ!」
アンナが意地悪そうな顔をしてシェルを見る。
シェルは小柄なため、アンナを見上げる形になっている。なんだか可哀想だ。
「……」
すっとシェルの隣に緋色の女の人が立つ。
こうして見ると、シェルの方がやや小さいように見える。
彼女の履いている靴の影響もあるだろうが、きっと気にしているんだろうなと思うとやっぱりなんだか可哀想だ。
「サラぁ!」
アンナが突然その人に抱き着く。
やはり、この緋色の髪と瞳をした人がサラなのだ。
「……アン」
「会いに来れなくてごめんね? サラ」
「ううん、大丈夫」
目を閉じて首を横に振る。
何をするにも美しさが纏っている。
エリーはぼーっと二人を見つめる。