Liebe

「つ、疲れました……」

「ふふ、お疲れ」

アンナが楽しそうに笑う。

ぽんっと頭にウィリアムの手が乗せられる。
反射的に見上げ、エリーは笑顔を見せた。

「サラもお疲れ!」

アンナがそう言ってエリーの後ろを見る。
そこにはサラの姿があった。


「……りんご飴」

突然、真顔でそんなことを言う。

「買って来てやろうか?」

「……ううん。皆で行きたい」

シェルの言葉にサラが首を横に振る。
そんな姿を見てダニエルがシェルを見下ろした。

「振られちゃったね」

「別に振られた訳じゃねぇし!」

そんなやり取りをする横でアンナがエリーを覗きこむ。

「エリー、りんご飴食べたことある?」

「りんご飴、ですか?」

きょとんとするエリーに、アンナは微笑む。
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