Liebe

「ここのりんご飴はすごいわよ」

「……うん。すごい」

そんなアンナとサラの言葉にエリーは胸が波打つのを感じた。

「す、すごいんですか……!」

何がすごいのかはエリーもわかっていないが、そのすごいという言葉だけで期待を抱く。

「じゃあ食べに行くかぁ」

「混んでないといいんだけど」

シェルが歩き出すと、皆がそれに着いていく。
人混みの中を六人で歩いていき、一人は飛んでいく。

すると、目的地であろう場所に辿り着いた。

りんご飴の屋台。
アンナやサラの言っていたように、確かに、すごかった。


――すごい列だ。

「ここがりんご飴の屋台ですか……」

「ここでしか食べられねぇりんご飴だからなぁ」

シェルが呑気な声を出す。
驚くエリーを面白がっているようだ。

「仕方ないわね。並ぶわよ」

「……うん」

こうして、エリー達はりんご飴の屋台の列に加わった。
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